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2011.06.10

コンサルタントの仕事


コンサルタントの仕事というのは何だろう、
コンサルタントという人は何をする人なのか、
という問いをよく聞きます。
困っていることがあればコンサルタントに頼めばいいのではないか、という声もよく聞きます。
何かの時の神頼みなのか、使ってみると期待したほどでもなかった、いや期待以上だったと
評価も分かれます。
コンサルタントは占い師でもないし、魔術師でもないということははっきりしています。
では、何なのでしょうか。

れを紐解いていくには、クライアントがコンサルタントに対して抱く期待にどのようなもの
があるかを考えればはっきりします。

第一に、コンサルタントはあちらこちらの企業を見ているだろうから、我々の困っている問題にどのように対処すればよいかを教えてくれるのではないか、という期待があげられます。

コンサルタントとして持っている情報、経験、キャリアが求められるわけです。現場をよく知っていて、どのような状況で、どのような解決方法が効果をあげたのかをきちんと分析し、論理化していることが求められます。ただ知っているというだけでは物の役に立たないわけです。また、分析、論理化していても、期待を寄せるクライアントの状況を診断し、その方法が効果を発揮するための条件を的確に押さえることができないと、適切には遂行できず、徒労に終わる場合もあります。この場合、コンサルタントが受ける評価は散々なものになるでしょう。

第二に、コンサルタントはこういう場合、どうすればよいのか、効果的な方法を持っているだろう、その方法を持っているコンサルタントに指導してもらおう、というものです。

そういう方法論を持っているのか、それは効果的か、実績は、という質問が矢継ぎ早にコンサルタントに飛ぶことになります。適切に答えられないとあれはだめだとなってしまいます。
コンサルタントとして、問題解決の技術、技量が求められます。業務に精通している人に指導してもらえればよいのだが、という声になって現れるのがこれです。このようなケースで期待を寄せるクライアントは、かつて、その業界で経験を積んだコンサルタントだと聞くと、是非、話を聞いてみたいということになります。
この場合も、概ね、考え方・やり方が古い、あの会社では良かったかもしれないが、うちではちょっとということになったりするケースも多くあります。

第三に、コンサルタントは色んな勉強をしているだろうから、うちの状況をみてどうしたらうまくいくか解るだろう、提案してもらいたい、というものです。

情報交換を経て、提案をすると、ここはどうするのか、それではうちの連中に解りにくいのではないか、こうしてもらいたい、ああしてもらいたいとどちらが提案しているか解らない状態になります。情報は調べればわかるのに、なぜ、うちの問題に焦点を当てきっていないという評価を受けてしまいます。こうした場合、クライアントの意向が優先し、コンサルタントの意向は抑えられ、結局、変わり映えしない状態が続いてしまいます。やらないよりはやったほうがましだったけど・・といった評価になりがちです。

第一のケースは、コンサルタントの持つ情報や経験、キャリアに期待があり、
第二のケースではコンサルタントの持つ技量に期待し、
第三のケースではコンサルタントの持つ分析力、推進力に期待があることが解ります。

この3つのケースに共通するのは社内にそのような人財がいれば社内でやるのだけれども、それがいないからコンサルタントに頼むという姿勢だろうと思います。
社内に精通した人がいればそれでやったほうが良いという考え方です。

この3つのケースとコンサルタントの本質的な仕事を対比させることが次の観点となります。
3つのケースにあるような期待に応えていくというものがコンサルタントの仕事ですが、そのアプローチは期待されているものとはちょっと異質なものになるでしょう。実は、コンサルタントの本質的な仕事がそこにはあるのです。コンサルタントの持つ情報や経験、問題解決のフレームと技術、分析力などと共に、重要で且つ本質的な仕事があります。
コンサルタントの本質的な仕事の第一は、そこで仕事をしている人たちの能力を最大限に引出し、活用するというものです。関係者の能力を最大限に引き出すことに長けたプロフェッショナルな存在として、コンサルタントは役割をとり、機能するのです。人の理解に長けた存在であり、モチベーションを刺激する存在であり、相互の連携を促進する存在となります。いわば、創発の触媒者とでもいう役割をとるのがコンサルタントと言えます。

第二の仕事は、クライアントが抱える問題に対して、解決していくためのフレームワークや価値観などを、関係する人々が共有できるように葛藤を処理していくことです。解決策を構築する段階や解決策を実施していく段階では、内部にも批判的な反応を示す人たちが必ずいます。こうすればよいのだと押し付けるのではなく、こういう方法をどう考えるのか、自分たちの意見はこの中でどう扱えばよいのか、信念や価値観に関わる重要な葛藤が起こります。この組織的葛藤、対人間の葛藤などを処理していくプロフェッショナルな存在といえます。いわば、葛藤解決の促進者のような役割をとるのがコンサルタントと言えます。

第三に、クライアントの抱える問題をクライアント自ら解決できるように問題を解決していく、というものです。コンサルタントは問題解決の実施者にはなれません。あくまで側面から支援する役割であり、問題解決への動きを自律的なものしていくプロフェッショナルな存在でなくてはなりません。クライアントが自分たちでやれているという実感を創造する存在ともいえます。組織が変わる瞬間に放つ光彩を感じとることができる存在でもあります。しかし、その役割を終えたら、そこから離脱を図っていく存在でもあります。いわば、舞台を支える裏方さんのような役割をとるのがコンサルタントだと言えます。

コンサルタントの仕事を長年やってきて、多くのクライアントと関わり、多くの感動もたくさんいただきました。そのほとんどが頭を悩まし、ハラハラドキドキの連続でありましたが、この体験こそが自分を成長させる糧となっているという実感を持っています。
実際の現場で起こっている問題と向かい合い、そこにいる人々と出会い、共に悩んで、成果を生みだすプロセスに喜びを感じないコンサルタントはいないでしょう。

これからコンサルタントを活用しようという方、かつてコンサルタントの活用に失敗された方、
また、これからコンサルタントを目指そうという方々に参考になればこの上ない喜びです。

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